悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
ドクン……。
ああ、もう……。
俺様で、自己中で、性悪で。
シキですら手に負えないヤツだったのに……。
そんな優しさ……もうあたしみたいな心の教育係なんて必要ないね。
「おい。何をボーっと突っ立っているのだ。早く来い」
ルカの優しさにジーンと感動に浸っていると、ひとり先に歩いていったルカが不機嫌に眉間にシワを寄せ振り返った。
さっきまでの優しい表情は、もうそこら辺にはない。
あたしは軽くため息をつき、ルカの横まで駆けよる。
でも、本当に嬉しい。
あたしの周りに理解してもらおうと努力してくれるなんて。
それに、お母さんの前であいさつした礼儀正しさ。
やっぱり、ルカ。
あんた、最高の王子だよ。