悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「今後アイツに話しかけられてもずっと無視し続けていろ。わかったか?これは命令だ」
「……命令って……」
あたしはルカと教室に向かいながら口を尖らせる。
なんであたしが怒られなきゃいけないの?
あたしは何もしてないのに……。
どんだけ嫉妬深いんだよ。
心配しなくても、大丈夫なのに。
「サラおはよう!!ルカ様もおはようございます!!」
教室に入るや否や、梓が笑顔で駆けよってきた。
あたしに会うよりも、最近はルカの近くにいたいようだ。
ルカがあたしの彼氏でも関係ないんだって。
ただ近くで拝めるだけで幸せみたい。
それもまた、あたしにはわからない感情だ。
「ルカ様、今日もカッコイイです」
梓を筆頭に、クラスの女子殆どが、目をハートにしてうっとりしている。
一方ルカはと言うと、さっきのことで不機嫌Maxのご様子で一言も女子に答えることなく自席についた。
そんなルカを見て、あたしも自席につきながらルカにバレない程度にため息をつく。