悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
嘘でしょ……。
今のはもう、言い訳できないよ。
だって、ここにいる全ての人が、ルカの瞬間移動を見たんだから。
目の前にいる庵可くんは特に……。
「貴様、今朝言ったことをもう忘れたのか?」
「…………」
相当驚いているんだろう。
庵可くんはポカンと口を開けて、ルカに答えられずにいた。
「言ったであろう。見張りを付けると。もう貴様に自由はないと思え」
ちょ、ちょっと待って……。
あたしが止めに入ろうとしたら、急に空が真っ暗になりはじめた。
きっと、ルカの怒りが雨雲を呼びよせてるんだ。
空は分厚い雲が集まり、雷鳴まで轟いている。
ポタ、ポタ、と、降り出した雨は次第に土砂降りに。
突然の雨に、みんなは頭を押さえながら校舎の方に走り出した。
それなのに、睨み合うふたりは雨に濡れたままその場を動こうとしない。