悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「そんなに怒るな。ブスが余計ブスになって結界の強さが弱まるであろう」
ブスで結界は緩まんわ!!
「安心しろ。手は打ってある」
……は?
手は打ってある……?
「お帰りなさいませ。ルカ様、サラ様」
今日も、シキは背筋を伸ばして車の後部座席のドアを開けて待っていてくれた。
「シキ」
車に乗り込む前に、ルカはシキの名前を呼び何かアイコンタクトを取っている。
「はい、かしこまりました。サラ様、早くこちらへ」
ルカに頭を下げた後、あたしに笑顔を向けるシキ。
……なに?
ふたりは何をしようとしてるの?
足の速い庵可くんがついて来れないように、思いっきり車を飛ばすとか?
いやでも、温厚なシキにそんな運転は出来なさそうだし。
それか無理矢理魔力を使う?
いや……それもないか。
シキはその辺しっかりしてるから、ルカのように安易に魔力を使ったりはしないはず。
じゃあ……一体なにを……?