悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
「ねぇ、ルカ様」
名前に”様“を付けるとか、気持ち悪くて鳥肌もの。
「なんだ?」
ピクリ。
女子に答えた彼の声に、耳が反応して神経がしびれた。
また、あたしの中で血液が暴れ出し手に汗を握る。
ちょっと待って。
あたしはどうして、さっきからこんなにもいちいち彼に反応してるの?
“知ってる“
彼の行動に、彼の外見に、彼の声に……。
あたしの体は彼が何かをする度に、”知ってる“。こういう、どこか懐かしい気分になる。
意味がわからない。
「ルカ様は、なぜこの学校に?両親の転勤とか?」
「ルカ様のお父さんって何をしてる人なの?」
「今朝、見たよ。すごい車で登校してたよね。ね、ね。車のドアを開けてた人ってもしかして執事?」
次から次に、止むことのない質問。