悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
車に乗っている時、ずっと庵可くんがあとを着けてきていないか窓の外に集中してたけど、あたしが心配し過ぎていたみたいだ。
どんなに足が速いからって、車について来れるはずがないのにね。
アホだな。あたし。
屋敷に到着すると、久しぶりに見る顔があって、思わず戦闘態勢に入ってしまった。
「おやおや。久しぶりに会ったというのに、その態度は傷つきますね、可愛いお嬢さん」
そのわざとらしい言い方、相変わらずだな、ヘイリ。
屋敷のドア付近で、あたしを見下ろすヘイリとその使い人セドリック。
あたしは両手を前に構え、ファイティングポーズでいつでも攻撃をかわせるようにしたけど、ルカはそんなあたしに呆れるように首を傾げヘイリの横をするりとすりぬけた。
「ルカ、おまえもこの兄上に対してその態度はなんだ。挨拶くらいしても良いだろう」