悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~


学校から帰ったら、まずはチヅルさんのお墓に行くのがもう日課になっている。


バラにきちんとお水があげられているか確認する為でもあるけど、いつ見てもバラは水分に包まれ艶やかに花弁を輝かせているんだ。


シキの手入れはすごい。


チヅルさんのお墓の前でひと空を見上げると、結界の外がどんよりと暗く雨が降っているようだった。


本当にヘイリが来たら雨が降るんだ。


それに……ここだけ雨が降ってない。


結界の力?


そう言えば、ここに来て一度も雨が降っていない気がする。


ルカが『俺は雨が嫌いだから降らせるな』って、シキに言ったんだろうな。


「うっわ!!キレイなバラっすね!!」


心臓が飛び出るかと思った。


な、な、なんで!?


なんで庵可くんがここにいるの!?


なんで!? どうして!? どうやって入ったの!?


結界が張ってあるのに!!


ていうか、そもそも、人間にはこの屋敷は見えないはずなのに!!




< 83 / 296 >

この作品をシェア

pagetop