悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
あたしからしたら、こっちのルカの格好が普通で、制服のほうが違和感があるのだけれど、梓達からしたら、こっちのほうが違和感なんだ。
「なぜ、ここにいる?」
ルカは、顔色を変えず無表情のまま低い声を出した。
「さぁ、なんででしょう。タスクくんとルカ様の家を探して歩いてたら、なんでか自然とこの山の中に入ってて、気づいたらここにたどり着いてました。ね、タスクくん」
梓はルカの格好に驚きながらも、ルカに説明している。
「別にあの執事の車を追ってたわけでもないんですけど、ホント、気づいたらここに来てました」
タスクくんも、ポカンと口を開けている。
「でも……え?ルカ様がここにいるってことは……もしかして、ここがルカ様の家!?」
最初は状況を理解するようにゆっくり話していた梓は、核心を得たように最後は早口で言った。
「ルカ様のその格好といい、本当にお金持ちなんだ。本物の王子様みたい」
梓の目がトロンと下がる。
お金持ちってだけで、まだルカが”悪魔“だとは気づいていないようだ。