悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
よかった……。
まぁ、この格好を見ただけじゃ、悪魔だなんて気づくわけ……。
あたしが安心してようやく地面から立ち上がろうとしたら、今度はルカの隣の空間にモヤモヤと黒い雲のようなものが出来始めた。
嫌な予感がする。
嘘でしょ……?
なんでそんな登場の仕方するの!?
その黒い雲の中から現れたのは、屋敷の中にいるはずのヘイリ。
そして、そのまた隣に黒い雲が出来、そこからセドリックが登場した。
もう、ごまかせない……。
「ヘイリ様。あまりご勝手に行動しないで下さい。あなたは魔界を任された後継者なのですよ?もう少し自覚を」
「良いではないか、セドリック。お前もまだまただ頭が固いな。私がこう自由に魔界とこちらを行き来できるようになったのを、私はとても感動しているのだ」
「しかし……」
ヘイリとセドリックは、今この状況など全くお構いなしにふたりで会話をしている。
地面についたままのお尻を持ち上げることが出来ない。