溶ける温度 - Rebirth -
有名大学を卒業し一流商社に勤め、聞くところによるとなかなかの出世頭らしい満さんは。
家柄も相当なものらしく、社長の息子でいずれはその会社を継ぐらしい。自分に自信のある男。
一方、地元の女子短大に進学し、なんてことない平凡な毎日を過ごした結果、就職活動に見事に失敗した私は。
正社員として就職することがかなわず、派遣社員として日々不安定な生活をするような。自分に自信のない女。
一見正反対だし、お似合いかどうかを聞かれたら返答に困る質問だけれど。
幸せだった。幸せだったの。
彼に愛されて、彼を愛して。
誰もが羨む理想の男。私にはもったいないぐらいだった。