溶ける温度 - Rebirth -

ふと、頭が真っ白になる。

それは。 誰かに、一番言われたくない言葉だった。


「…私と別れたことが、正しかったってこと…?」


だってその言葉って。
お前たちは不似合いだった、って、言われたのと同じだ。

実際そのことに一番コンプレックスを持っていたのは当の本人である私。
そんな関係を問い詰められたくなくて、必死に彼の為に毎日を生きていたの。

少しでも釣り合う女になりたかったから。

< 118 / 162 >

この作品をシェア

pagetop