溶ける温度 - Rebirth -

気を取り直して再び黒板の文字を新しく変えていく。
目の前の仕事に集中しないと、このなんとも消化しきれない自分のもやもやした気持ちに、押しつぶされそうだった。




*


「ありがとうございましたー」


カラン。本日の最後のお客様が無事に店内を後にする。

どうなることかと思った一日も、すでに23時過ぎ。人っ子一人いなくなったお店は、もう閉店の兆しである。
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