隣の悪魔はご機嫌ナナメ
話を聞いても、あたしにはよくわからない世界だった。
だけど、せっかく話してくれたんだもん。
聞きたいと思ったことを、聞かなきゃ。
「……そうしたら青久は、この街を去らなきゃならなかったの?」
「ーーーむこうがそう望んでいたから」
青久の声が消えていく。
どういうこと?あたしには理解できない。
病院同士には、何かそういう決まりがあるの?
「どうして?」
「それは……」
青久があたしを見る瞳が、悲しそうに揺れた。
「あお、く?」
「俺は、逆らえないんだ。病院同士のことだから」