隣の悪魔はご機嫌ナナメ
・何も望まない幸せな「日々」



「はる」


公園のベンチに座って、暖かい日差しに目を細めていたあたしの名前を呼ぶ、声。



「ーーー青久」



いつも見ているのとはちがう、シンプルな私服姿の青久に一瞬ドキッとした。



「こんなとこで寝てたら風邪ひくぞ」



「ーーーもう!引かないし!」



なんでそんな子ども扱いするのよ!



ふんっと怒って立ち上がって、青久を無視して
勝手にあたしは歩き出す。



「……お?おい、はる」



「…………」



「はる!」



ギュッと握られた右手。



あたしの行動はピタリととまった。



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