隣の悪魔はご機嫌ナナメ




「……そうですか」



どんなにあたしが来て欲しくても、本人が来たくないなら仕方ない。



どうしようもないやつだ、これは。
彼氏彼女の立場なんて関係ない。



いや、可愛い可愛い彼女からのお願いだったら受け入れる彼氏もいるかもしれないけど。



『朝から用はそれだけ?』



「えっ、あ、うん……」



この人はちがうのだ。
あたしの言うことなんて聞くはずがない。



『ふーん。じゃ、がんばれよ』



「あ!ちょっと……!」



観に来るぐらい、来てよ。
そう言う前に、電話が切れた。



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