隣の悪魔はご機嫌ナナメ
「大丈夫?」
どうしていいかわからず、動けずにいたあたしの前に、差し出された白い手。
えーーー?
「……月本、さん」
見上げると、少しの笑みを浮かべた月本さんが立っていた。
「こんなところに座ってどうしたの?気分悪い?」
さっきのことを見ていなかったのか、ハテナを浮かべた様子で月本さんは言う。
「……あ、いやなんでもなくて」
「こけちゃった?泣きそうな顔してる」
どうしてこんなにも、この人は純粋なんだろう。