隣の悪魔はご機嫌ナナメ
あたしがずっと、青久のことが好きで
忘れることができなかったからーーー。
「そのとき青久がそばにいたかどうかなんて関係ないよ、黒田くん」
「でも……」
「青久の存在が、離れていてもあたしを救ってくれていたから。好きでいるだけで幸せだったの」
どうして何も言わずにあたしの前からいなくなったのか。
考えるだけで涙があふれるのは本当。
でもそれ以上に、青久のことを好きでいられることが、なによりも嬉しかったの。
思い出があたしを潤わせてくれてたの。