隣の悪魔はご機嫌ナナメ



「あなたはわたしの婚約者で、うちの病院の跡取りなのよ」



俺は口をつぐんで音を見た。
何も言い返す言葉が見つからない。



これを言われてしまったら、もう終わりだと思った。



うちの病院が援助を受ける条件は、息子の生まれなかった音の両親の病院を、俺が婿入りすることで継ぐことだった。



俺の両親は俺の好きなようにしろと言っていたけど、どうしてほしいかぐらいわかってた。



俺がイエスと言えば、すべてうまくいくことだったのだ。





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