隣の悪魔はご機嫌ナナメ
「……わかってるよ、そんなこと」
この2年間、そのことは痛感していた。
できない理解を懸命にした。
これが自分たちのためだと言い聞かせてきたんだ。
「だったら、他のことにうつつを抜かさないことね」
「……わかってる」
「よく両親があなたの転校を受け入れたわよね」
はあ、と呆れたように音がため息をつく。
その通りだった。どうして音の両親が俺の転校希望をすんなり受け入れたのか。
そこがまったくわからなかった。
最後の希望を、優先してくれたのだろうか。
だとしたら俺はこれからーーー。