隣の悪魔はご機嫌ナナメ
「今がどうであれ、あなたの気持ちがどうであれ、あなたはうちの病院を継ぐことは変わらない」
選んだ洋服を、音が店員に指示して運ばせていく。
俺は見慣れた様子でそれを横目で見ながら返事をする。
「ああ、わかってる」
「わたしだってただの人形じゃない。ちゃんと自分の意思がある」
「わかってるよ。当たり前だろ」
「あなたが裏切れば、どうなるかぐらいわかるでしょう」
空気が張り詰めて、音と視線が交わる。
ああ、俺はこのままーーー
「そんなこと、しないよ」
一生この生活を続けるんだ。