隣の悪魔はご機嫌ナナメ
・聞きたくなかった「本音」
「やばいーーお母さんはやくはやくーー!!」
クローゼットにしまってあった浴衣を引っ張り出して、髪の毛を結びながらあたしはお母さんを自分の部屋に呼ぶ。
「急に浴衣着たいなんてどうしたのよー」
お母さんも急いで階段を登って二階のあたしの部屋に来てくれた。
「真里と夏祭りに行くの!」
「だからってもっと早く言いなさいよ」
「ごめんごめん」
「ほらそこの鏡の前に立って」
ちょっと怒ったようなお母さんも、そう言ってあたしに浴衣を着つけてくれた。