隣の悪魔はご機嫌ナナメ



青久を思って嬉しくなったり悲しくなったり。
楽しいこともつらいこともあった。



だけどそれももう、今日で終わりにするね。



「青久さん、今までありがとう」



言いたいことはたくさんあったのに、出てきた言葉はそれだけで。



あたしはただただ表情を作るのに精一杯だった。



ただの幼なじみなんだもん。
ここで泣いたら不自然だよ。



それに、音さんの前で青久なんて軽々しく呼べないしね。



青久を見ると、傷ついたような悲しい顔をしていた。



そんな顔で、あたしを見ないでほしいな。
傷ついたのは、あたしのほうなのに。




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