隣の悪魔はご機嫌ナナメ
「青久」
何か言いなさいよ、と音さんが催促して青久の腰をつつく。
それに応えるかのように、青久がゆっくりと口を開いた。
「いや、俺のほうこそありがとう」
別れの言葉にしては、あまりに短くて軽くて。
あんなに思っていたのに。
あたしの恋がここで終わってしまう。
そう考えたら、あたしは今にも泣いてしまいそうだった。
「……じゃあ、行こう真里」
「うん……」
これ以上ここにいることに耐えれなくなって、あたしは真里とその場をあとにした。