隣の悪魔はご機嫌ナナメ
だとしたらすごく悔しいよ。
あたしだって青久のそばにいたかったのに。
ーーーなんて、真実がどうだったかなんてもうわからないんだけど。
「……なあ、大丈夫?」
ずっと窓の外を見ていたあたしにひっそりと声をかける人が、ひとり。
振り返ると、茶髪にゆるいパーマの綺麗な顔した男の子があたしを見ていた。
頬杖をついて。
「……えっ、と?」
誰だっけ、この人。
見たことがないんだけど。
「俺は棚部 悠(たなべ ゆう)。同じクラスになるの、初めてだよな?」