隣の悪魔はご機嫌ナナメ
青久side
「まさか帰ってくるとは思わなかったわ」
俺の方を見もせず、音は何でもないようにそう言った。
あの日、夏祭りのあの日あの場所にいて何があったかもわかっているくせに。
よくもまあ、無関心にそう言えるよな。
音はわかってたんだ。
俺の心が幼なじみにあるってこと。
あの日出会ったのが偶然だとしたら、俺はその偶然を恨むことになるだろう。
でも、これでよかったのかもしれないと思う俺もいるんだ。