隣の悪魔はご機嫌ナナメ
中学三年生だったころの俺には、自分の両親の病院を助けるためには援助を受けるしかないんだと思ってた。
俺が我慢すれば、はるといたいという気持ちを押し殺してこの街を出て行けば、それでいいんだと。
音は悪い人ではないし、特に嫌な思いをさせられたわけじゃない。
でも、音の隣にいたって俺の気持ちは変わらなかった。
俺はずっと、はるといたいと思ってた。
はるのことだけを考えていたんだ。
俺のわがままなのはわかってる。
でも俺は、はるといたい。
音は、わかってくれるだろうかーー。