隣の悪魔はご機嫌ナナメ
声が震えた。
一番聞きたかったことは、これだった。
きっとあの場では、音さんがいたところでは、聞けなかったことだと思うから。
あたしは知りたいんだ。
青久の本当の気持ちを。
「俺はずっと、今だってはるのことを思ってるよ」
「じゃあ……」
「自由な時間をはると過ごしたいからあの街に帰った。でもその考えが、浅はかだったんだ」
「え…………」
「俺の気持ちだけじゃ、もうどうすることもできないんだ。家のーーー問題だから」
家の、問題。
とても重い言葉だった。