隣の悪魔はご機嫌ナナメ



睨み合っていたあたしたちの
後ろから聞こえた聞き覚えのある声。



振り返って、あたしは笑顔になった。



「黒田くん」



子犬みたいに、黒田くんが
あたしのところに駆け寄ってきた。



「逢沢先輩、大丈夫でしたか」



「大丈夫だよ」



「あれから風紀の教室にも
顔を出してくれなくなったから……」



僕さみしかったんですよ、と黒田くんが
俯きながら、本当に悲しそうに言う。



「あ、ごめんね。黒田くんこそ
委員長になったんだって?大丈夫?」



「まあ……ぼちぼちですかね」



< 37 / 302 >

この作品をシェア

pagetop