隣の悪魔はご機嫌ナナメ
睨み合っていたあたしたちの
後ろから聞こえた聞き覚えのある声。
振り返って、あたしは笑顔になった。
「黒田くん」
子犬みたいに、黒田くんが
あたしのところに駆け寄ってきた。
「逢沢先輩、大丈夫でしたか」
「大丈夫だよ」
「あれから風紀の教室にも
顔を出してくれなくなったから……」
僕さみしかったんですよ、と黒田くんが
俯きながら、本当に悲しそうに言う。
「あ、ごめんね。黒田くんこそ
委員長になったんだって?大丈夫?」
「まあ……ぼちぼちですかね」