隣の悪魔はご機嫌ナナメ
「逢沢先輩、そろそろ授業始まりますよ」
「えっ?」
黒田くんの声にハッとして腕時計を見ると
あと数分で授業が始まってしまう時間。
え、や、やばい!
「急がなきゃ。じゃあ黒田くんまたね」
「はい」
黒田くんにばいばいを言って、
あたしは青久と一緒に教室に急ぐ。
「アイツ、なんか気に入らないな」
「アイツなんて呼ばないの!」
「……ムカつく」
青久のそんなつぶやきは聞こえないフリをして。