隣の悪魔はご機嫌ナナメ



「何してんの?」



一向に振り下ろされない手を待っていた
あたしに聞こえた声に目を開ける。


目の前には金髪の男たちのほかに
黒髪の男がひとり立っている。


ーーーえ?



「知らない顔だな。誰だよお前」



「俺の婚約者に、何してんの?」



男たちの問いにそう答える男。



冷たい声。目が笑っていない
その男に、あたしは見覚えがあった。



「……青久?(あおく)」



まさかと思って懐かしい名前を
呼んでみると、男は優しく笑った。



「迎えにきたよ、はる」





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