隣の悪魔はご機嫌ナナメ
「今どこにいるの?」
『………』
「帰るから、待ってて」
なにも言わない相手に、一方的に
そう言って電話を切った。
はるに会いに行くはずだったのに。
はるが待ってるのに。
俺は、帰らなければいけない。
この携帯が鳴れば、幸せな時間が終わる合図。
ずっとはこうしていられないのは
俺が一番わかってる。
だけど少しでも長く、俺ははるの隣にいたい。
なのにどうしてーーー。
携帯を投げ捨ててしまいそうな
衝動を押さえて、足を進めた。