隣の悪魔はご機嫌ナナメ
遅れてきた真里があたしたちに気づいて
慌てて引き離してくれた。
……ふう、危ない危ない。
いや、危ないじゃないか。
もう抱きしめられたんだあたし。
チラッと黒田くんを見ると、
あたしにやわらかく微笑んでいた。
ーーーなに、この感じ。
今まで黒田くんに感じたのと何か違う。
どういう、感情なんだろう。
「えっと、黒田くん?」
「思わず抱きしめちゃいました、すみません」
「いや、いいけど……」