明日の君は笑う
Ⅰ
「君っていう人を知った」
「行ってきます」
「行ってらっしゃい。気をつけてね?」
「うん」
いつも通り革靴を履いて,家を出る。
「ミーンミンミン」
眩しい太陽が照りつける中,セミが鳴く。
「暑い…」
夏。
パタパタとシャツで扇いでも一向に涼しくならない季節。
触れると焼け焦げそうなアスファルトの上を歩く。
川沿いに出ると,冷たい風が吹いてくる。
「(涼しいー…)」
しばらく川沿いを進んでいくと。
「ギャハハハ!!」
「ん?」
大きな笑い声がして,耳を傾ける。
「ぅわっ,冷てー!!」
「気持ちーな!!」
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