明日の君は笑う
「零夜が彼氏?私の?」
「う,うん」
「まずありえないし,ありえる環境だったとしてもないない」
くすっと笑う加賀ちゃんは,本当に呆れてるって顔だった。
「大体,零夜とは血が繋がってるから付き合えないし」
「…え?」
「零夜は私の兄さんよ」
飄々と言う加賀ちゃんを俺は見つめることしかできなかった。
お兄さん…。
俺らはお兄さんにヤキモチやいてたわけ?
「ははっ,馬鹿じゃん俺らー」
「え?」
「ううん。こっちのことー」
よかったー。
ただの勘違いで。
俺はその時,キリアが加賀ちゃんのことをどう思ってるのかは,知らずにいた。