明日の君は笑う


「さすが花旦【ハナダン】家」


「俺は花旦家じゃねえよ」


「…遊馬」


「今は奈々穂のことだろ?」


「…」


やっぱりコイツは最強と言うべきだ。


でも,今日。


その『最強』が崩れるところを見た。


「まあ,これさえあればあのじじいに聞き出せるよな」


「そうだな」


「なんで『椿奈々穂はこの世にはもういない』といったのか」


「…」


全て,この男の,この男の爺の手の内ってことか。


これはこれは。


「大変だ」

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