明日の君は笑う
バッと隣を見ると,目の前にドアップで佐々木君の顔が現れた。
「ドクンッ」
心臓がバクバク言ってる。
いや,女の子の「ドキドキ」ってやつじゃなくて,本当の心臓が飛び出しそうなやつ。
真面目に,びっくりするんですけど…っ!
「教えてよ」
「…はい?」
「これ以上わかんなくなったら寝ちゃうから」
「…わかった」
「よっしゃ!」
佐々木君はニカッと笑って「センセー,加賀さんに教えてもらいまーす」と言って,席をくっつけた。
…うん。
先生から許可もらってないよね?
先生,そんな顔して佐々木君を見ないでください。
半分も諦めちゃダメですって。
佐々木君もあの先生の呆然とした顔見なさいよ。
必死で目で訴えるも通じず。