明日の君は笑う
「帰ってきたら,忙しそうね」
奈々穂side
これは中学一年生の頃。
私がまだこの土地に来ていなかった頃,私は一人の男の子と仲が良かった。
「奈々ー!」
笑顔が眩しい男,進とは付き合ってるわけじゃなかった。
でも,話が合ってお互いこれ以上の関係になろうと考えてはいなかった。
「ほら乗れって」
進はポンポンと自転車の荷台を叩く。
「今日は何処行くのー?」
「今日はもんじゃ行くか!!」
「今日もじゃん」
「ははっ,そうだっけかー!!」
風が顔に当たり,少し涼しい。