明日の君は笑う
「あぁ,はい」
「実はね,佐々木君も補習にもちろん対象として入ってたの」
「…」
「でも,その日にちょうど10年ぶりに家族で集まるらしいの」
「え」
「学校側もずらそうとしたんだけど,先生たちが予定が埋まっちゃってて」
「じゃあできないんじゃ」
「そうなのよ。だから今度のテストでどうにか点数を取らせたいんだけど」
そこまで言って,悲しそうな目を私に向ける先生。
…まさか。
「だから加賀さん…「ヤですよ?」」
「まだ何も言ってないじゃないー」
「何で私が…」
「加賀さんじゃなきゃ,教えてる間に逃げちゃうのよー」