明日の君は笑う


「幻聴だよね?」


「幻聴じゃないよ」


「や,でも」


「幻聴じゃなきゃダメなの?」


じ,と進の綺麗な瞳が私を捕える。


「………から」


「え?」


「幻聴じゃなきゃ,私泣きそう…だから」


本当,涙腺弱くなってしまった。


私の歯止めも聞かず,ぼろぼろと涙が出てくる。


「ははっ,幻聴なわけないだろ?」


「…っ」


< 173 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop