明日の君は笑う
「そういうところも嫌いじゃないよ」
涼side
俺はどうやら,一目惚れというのを経験してしまったらしい。
あえて進や修大,双葉には言わないでおく。
でも,俺の態度は多分すぐ分かるだろう。
「加賀ちゃ~ん」
「あ…遠藤君」
「涼でいいよ~」
「りょ,う?」
俺が声をかけると,少しだけ笑みを浮かべて止まってくれる加賀ちゃん。
本当は『奈々穂』って呼びたいんだけど,そんな親密な関係になってないし。
第一,今朝会ったばっかだし。
噂ではちらほらと耳には入ってた。
『清楚系』『大人っぽい』などなど。
どんな子かなーって思ってみようと試みた時もあったけど,見事に男子たちに行く手を阻まれ,退散。
「加賀ちゃん,次移動?」
「あ,うん」