明日の君は笑う
最高に嫌なタイミングで,加賀ちゃんが俺の手からすり抜ける。
「もう行かないと怒られんぞー?」
「数学の時間寝てて怒られたの誰よ」
「あれ,誰だっけ」
「馬鹿」
「ははっ,嘘嘘」
俺の数メートル先でニコニコしながら話す二人。
進のやつ…わざとか?
いや,あいつのことだから絶対天然だ。
純度100%で行っている行為だ。
そう思っていても,やっぱりイライラするもので。
「加賀ちゃん!」
「ん?」
俺は,走って加賀ちゃんに近寄り。
「頑張れな」