明日の君は笑う
Ⅱ
「意外なところが多い子だった」
奈々穂side
「なんで公共の場で…っ」
カチカチカチカチとボールペンを出し入れする。
音楽の時間。
とてつもなくイライラする。
だって,公共の場だよ?!
しかもついさっきまで話してた奴にそんな事されるなんて思わないじゃない,普通。
『加賀ちゃん!』
『頑張れな』
あの言葉が何度も頭の中でリピートされる。
「そんなおこんなよー。顔怖いぞ?」
「…佐々木君は気楽ね」
「そりゃ,悩み事ないですから」
そんなきりっとした顔で言われても,どう反応したらいいのか分からないけど。
あー,今日会ったらどう接せばいいの。
「加賀さん,佐々木君」
「「はい?」」