明日の君は笑う
「俺だって興味あるんだよ」
修大side
俺が加賀奈々穂のことを「奈々穂」と呼んでるのには訳がある。
1度会ってるからだ。
中学三年の秋。
俺がパン屋でバイトをしてた頃,奈々穂が店に来てくれたことがあった。
「このメロンパンください」
「はい。260円になります」
メロンパンは俺が作った物で,店長が「うまい」と言って出してくれたやつだった。
奈々穂はコーヒーと一緒にテラスに持って行って,頬張っていた。
「あの!」
急に奈々穂が立ち上がり,俺に向かって。
「このメロンパン作ったバイトさんって貴方ですか?」
「あ,そうですけど…」
「すごくおいしいです!また来ますね!」
ニコッと笑って言ってくれた奈々穂に俺は釘付けだった。