明日の君は笑う
渋々入った私に,ごほうびとして岩陰まで連れてってくれた。
そこは太陽の光が反射して海の中が透けて見えた。
すごく綺麗で,すごく輝いていた。
「奈々穂?」
「え?あぁ,ごめん」
あの夏はもう戻ってこないのに。
「ちょっと暑くなってきたわね。入ろっか」
「カナヅチなら無理しなくていいぜ~?」
「何言ってんの。これでも」
言いながらジャンプ台の上へ上がる。
「水泳で全国行ってるんですけど?」
「は?!」
「バシャンッ」
涼の驚きの声も途中で掻き消される。
「(気持ちいー…)」