明日の君は笑う
フェンスは捻じ曲がり,涼が相当怒っているのがわかった。
「じゃ~双葉~進~,保健室連れてくよ~」
「うんー!!女の子たちどうなるのか楽しみだねー!!」
「ね~。あのお顔,どうなっちゃうのかね~」
にやり,と二人が笑うと,ますます女達は震え上がった。
そんな女達を尻目に,俺は加賀っちを抱き上げた。
「保健医呼ぶから,俺先行ってるねー」
「おう,よろしくなー」
未だ目を開かない加賀っちを見る。
透き通った白い肌がますます透き通り青白くなっていた。
「そんな奈々穂のこと見つめてないの~」
「いいじゃんか,減るもんじゃないし」
双葉。
俺も気付いたよ。
自分の本当の気持ちに。