明日の君は笑う
俺奈々穂のことを呼ぼうとすると,奈々穂の口から出た聞きなれない名前。
「お,奈々ー」
「目立つんじゃないわよ」
「しょうがないじゃん?」
人ごみの中から出てきた男は奈々穂のことを『奈々』と呼んだ。
知り合い,か?
いや,ただの知り合いでいることを祈りたい。
その男は男の俺らから見ても,綺麗だった。
「なにあの綺麗な男の人ー!!」
「知り合いじゃないか?」
「彼氏だったりして」
「やめろよ~進。心臓にわりぃ~」