好きになったのがたまたま幼なじみだっただけ
「お前さー」
「んー?」
ケータイを弄りながら適当に返信をする。
「お前、彼氏とかいねぇの?いるのに俺の部屋何か来たら彼氏怒るんじゃねぇの?」
部屋でくつろいでいる私に質問を投げ掛けるコウちゃん。
彼氏なんて…いないもん。
コウちゃん以外の男の人なんて興味ないもん。
コウちゃんの質問によくわからない苛立ちを覚え、当てつけのように返した。
「コウちゃんだって彼女さんいるなら私を部屋に上げない方がいいんじゃない?」
「い、今は、フリーなんだよ。」
“今は”ねえ。
「私、年上の人との恋って素敵だと思うなあ。今フリーならあたしなんてどう?」
口調はちゃらけて。
でも私は本気で。