好きになったのがたまたま幼なじみだっただけ
スポーツ強豪校に通うあたしたち2人の朝は早い。
所属する部活は違うといえど、朝早くから練習が始まることに違いはない。
準備を済ませたダイスケがあたしのことを起こしてくれたあと、あたしは急いで制服に着替え、2人で登校するのだ。
朝ごはんは、学校で。
ダイスケにもあたしにも恋人はいない。
あたしはまあいいとして、注目したいのはダイスケ。
ルックスから、女の子から告白されたことが何度もあるのに、全て丁寧に断るのだ。
噂によると、断り方が誰も傷つかないような言い方でそれが更にダイスケの人気に拍車をかけているとか。
ダイスケのことが好きなあたしからすると噂の真偽は気になるところだが、とりあえず彼女がいないようなので安心している。
それにあたしは、ダイスケに好き好きとたかる女の子よりもダイスケのことを深く知っている。
そりゃ、小さいころからずっと一緒だったから。
そういう優越感もある。
そして誰よりも、ダイスケのことを好きな自信がある。
もちろん恋愛の意味で。