好きになったのがたまたま幼なじみだっただけ


「おかえり、なつめ」




「ただいまー…ってダイスケ!?何でここに!?」




「なつめの入賞を祝うために、これ作ったんだ」




ダイスケが指す方を見ると、食卓に豪華な食事が並んでいた。




「まさか、これ全部ダイスケが…?」




中学時代、ダイスケって家庭科の成績ずっと5段階評価の“3”だったよね…。


料理は苦手だったんじゃ…。




「うん。本当はもっと早くに食べて欲しかったんだけど…。」




「そうだったんだ…」




「なつめの調子が良くないって聞いて、元気出してもらうために料理修行してたんだけど時間がかかっちまって」




「料理修行?誰に?」




「本当は母ちゃんに聞きたかったんだけど、色々しつこく聞いてくるだろうから、調理部の子に放課後にレシピ聞いて練習終わったあとに家で練習してたんだ」




「…ありがと。忙しいのに」




何だか心がぽかぽかする。


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