好きになったのがたまたま幼なじみだっただけ


──5ヶ月後、春




今日はあたしの通うS高校の入学式だ。

S高校は無駄に広いホールがあるから在校生も強制的に新1年生の入学式に参加させられる。




面倒だな、と思いつつもそれ以上に楽しみなことがあるのであたしは少しウキウキしていた。




S高校にサツキが入学してくるのだ。




結局あれからサツキがあたしに勉強を教えて欲しいと言ってくることはなかった。

どうやら自力で頑張ったらしい。


家が近いのに会話することもなく、軽い冷戦状態。

でもこれもきっと今日で終わりだ。




コンコンッ




「はーい」




「俺。サツキ。入っていい?」




「どうぞ」



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